中学部1年生 798を発信!

中学部1年生は「総合的な学習の時間」と「美術科」のタイアップで北京の魅力を発信するをテーマにポスター作りをしました。

現在,中国は世界で最も注目されている国といっても過言ではありません。経済や政治など様々な分野が世界に大きな影響を与えています。そのダイナミズムの中心にある首都北京。総合的な学習の時間では,その魅力を中学生の目線で捉え,発信することを目指し,情報発信スキルについて考える取り組みを行いました。

“北京の魅力”と一口に言っても,そのスケールはとても大きく簡単に紹介できるものではありません。そこで,北京日本人学校の近くにある人気観光スポットの「798芸術区」を取り上げることにしました。

798芸術区は,北京の北東に位置し,もともと工業製品を組み立てる工場が建ち並ぶ場所でした。しかし1990年代に入ると,そこで生産されていた製品が時代に合わなくなり,工場の建物だけが残る廃墟になってしましました。その廃墟に目をつけたのが当時の若い芸術家たちです。お金の無い芸術家たちは廃墟と化した工場や倉庫を自分たちのアトリエに改造し作品制作をしたのです。そのようにして芸術家が作品を作り始めると,798は美術界隈で注目されるようになり,今度は若い芸術家の作品を取り扱う気鋭の画廊が798を中心に次々にオープンし始めました。これが今につながる798芸術区の歴史です。

(観光地化する前の798の様子)

 さて“発信する”ためには,そのための手段を考えなくてはいけません。総合的な学習の時間では,調査の方法,情報分析,プレゼンテーションのスキルなどをエクササイズを交え学習し,798芸術区をどのように魅力あるものとして提示するか考えました。そこで,考えついたのが広告のようにキャッチコピーをつけたポスター作りです。美術科では2学期にレタリングとフォントデザインの単元を学習する予定でしたので,1学期中に798芸術区に校外学習で訪れ,取材と素材集めをし,2学期の美術の授業でポスター制作を行うことにしました。

(事前学習で地図アプリを使用。タブレットの操作方法も同時に学習。)

材に際して行う写真撮影は,学校に新しく導入されたタブレットを活用しました。美術科で簡単に写真の構図について学習し,実際の校外学習をむかえました。当日は残念ながら雨。しかし面白いオブジェやグラフィティなど芸術区内はアートな雰囲気が満ちていました。

(校外学習当日の様子。タブレットで気になった風景を写真に収める。)

  写真はたくさん撮影することを目標にしました。美術としての写真の表現領域は多岐に渡りますが,その本質は被写体の魅力を写し出すことです。たくさん撮影した中で,自分のイメージと重なる一枚に出会うことが大切です。取材を終え,今度は美術の授業で具体的な制作に入りました。

(レタリングの基本からフォントデザインへの理解を深める。)

 「写真」,「キャッチコピー」,「フォントデザイン」の3つをポスターに仕立て上げることはデザイン領域でもグラフィックデザインと呼ばれる分野です。制作にあたって,大切にしたことは写真撮影と同様にアイデアの量です。できるだけ多くのキャッチコピーやフォントのアイデアを考え,どのような表現が可能か考えることが良い作品を作る基本です。視覚伝達デザイン(=グラフィックデザイン)として考えると,キャッチコピーも,ポスター制作において写真と並びとても大切な要素です。一つのフレーズに意味を凝縮させるために生徒一人一人が知恵を絞りました。そして,フォントデザインは字体のデザインです。漢字,カタカナ,平仮名,アルファベットそして中国語の簡体字の5種類が主なデザイン素材です。それらを考えられたキャッチコピーにふさわしい字体表現としてデザインしていきました。美術の授業では,「北京の魅力をカッコ良く発信する。」作品制作を目指しました。

今回の学習では人に何かを伝えようとする時に必要なスキルを実践的に学ぶ機会になりました。また美術として作品制作に取り組むことで,生徒自身が個に立ち返り,自分の興味を広げながら独自の視点を探る活動にもなりました。